~フィルターから瓶詰めまで~
さて、完成したビールをいよいよ缶や樽、瓶に詰めて皆さんの元へ届けます。
ビールを汚染する菌が混入するとビールが酸っぱくなったり変な味がするのですが、そのビール汚染の8割はこの缶などに詰める際に起きます。ですので缶詰め、樽詰め、瓶詰めの際はビールが通る管を徹底的に洗浄します。
では見ていきましょう!
貯蔵タンクで完成したビールにはまだまだ多くの酵母が残っています。
酵母が残っているビールの利点!
1.コクがあり、味が柔らかくふくよかになる!
2.とにかく美味しい!!
酵母が残っている欠点!
1.劣化しやすくなる(味がおかしくなりやすい)
2.賞味期限が短くなる。
3.味が安定しない。
4.輸送の際に冷蔵輸送しないと味が悪くなる。
などがあります。これは酵母を取り除いた方がよさそうですね。
しかし!酵母を除去しないビールは美味しいんです。酵母が入っているビールは『無濾過(むろか)ビール』などと呼ばれ、新鮮な証拠。ビールもお魚と同様に鮮度が大切なんです。
出来立てのビールは格別の美味しさ….
皆さん、大人になればぜひ工場見学へ行き、出来立てビールを飲んでみてくださいね。。。おっと、脱線しました。ではフィルターを通して酵母やその他の雑菌除去する方法見ていきましょう。
このフィルターにビールを通していきますが、厚い布に通すだけでは酵母など小さい物質は除去できません。
そこで補助剤として珪藻土(けいそうど:海底などに堆積した藻などの海藻を約1000℃にまで熱して作られる。
1円玉と同じたった1gで20m²(=約11畳分!!)もの面積を持つ、とても細かい粒子)などを入れ、酵母など小さい物質を吸着して布の壁に張り付かせていき、酵母を除去していきます。
このようにろ過されたビールがスーパーで売られているビールですね。では、このフィルターの洗浄についても見ていきましょう。
こうしてフィルターを通して無菌化されたビールはいよいよ瓶や缶に詰められます。
では、瓶詰めの工程を見ていきましょう。
このようにアルカリ性の温水に漬けて(合計20分ほど)洗浄殺菌しラベルをはがしてきれいにしていきます。
ラベルもバラバラになると洗浄機を詰まらせてしまうので一枚の紙として留まる工夫がされています。
また、このラベルに使用する糊もアルカリ性の液ではがれやすいものを使用します。主成分はデンプン(イメージとしてはお餅)
洗浄された瓶はきちんと洗浄されているか、異物や汚れがないかを機械でチェックした後、瓶詰めされていきます。
この検査機の構造もとてもおもしろいのですが、それはまたの機会に。
では、いよいよ瓶詰め工程にいきましょう。
酸素はビールの大敵。いかに酸素に触れないまま瓶に詰めるかが重要です。酸素に触れて瓶詰めされると雑菌が繁殖しやすくなり、味が悪くなったり美味しく飲める期間(賞味期限)が短くなります。
こんな工程がどれだけの速度で行われているかというと……
これが機械できれいに箱詰めされて出荷、物流会社の人に運んでもらってお店に並ぶわけですね。
ビールを作るだけでも様々な人が関わっています。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
子供たちに大人の飲んでるビールに少しでも興味を持ってほしく、ビールの作り方を書きました。
ビールを作るには、多くの知識が必要です。この知識の基礎となるのは小学校・中学校で習った算数(数学)や化学を応用したものばかり。
私の小学生の時の夢は体操でオリンピックに出る事でしたが、きちんと勉強しておいてよかった。
世の中、どんな知識が必要になるか分からないものです。
みなさんが大人になってお酒が飲めるようになった時、まずはお父さんやお母さんと乾杯してほしい。
彼らは今まで少なくとも何度かはお酒とお付き合いする場面があったでしょう。
お酒の席での失敗などもしているかもしれません。
初めてのお酒は心から信頼できる人と乾杯し、お酒の楽しみ方や怖さ、体調にもよりますがどの程度飲めばどれぐらい酔っぱらうのかを理解することから始めましょう。
一緒に過ごす空間にお酒があると、思わず本音が出たり、自身の考えが整理されたり新しいアイデアが生まれたり。
お酒との付き合い方を信頼できる人から学び、お酒を通してより豊かな楽しい人生を送る事を願っています。
※日本で1%を超えるビールを作ることは法律で禁止されています。このビールの作り方はビール作りを推奨するものではありません。
ではでは、乾杯!!